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グランドキャニオン国立公園(Grand Canyon National Park)

◆Watch Tower (ウォッチタワー)・・ホピのアート見学

さて、このウォッチタワーというのは、ウエストでも、サウスでもなく、グランドキャニオンの東端に位置している。
なぜ、これをご紹介するかというと・・ホピ族に関心がある人には、ぜひ、ここも訪れて欲しいポイントであるためと、また、この塔からの景観も捨てがたいからなのだ!


実は、これは遺跡ではなく、ある建築家によって建てられた建造物。建築家名は Mary Colterという白人女性(1869年生・1958年没 )
この建物は、彼女の手がけたものの中でも、代表作の1つ。断崖から、ぐっとせり出していて、まるで古代から、そこに存在していたかのように風景に溶け込んでいる。
これは、古代部族のアナサジ族のウォッチタワーからインスピレーションを得て、製作したそうだ。

彼女が、当時を生きた白人でありながら、いかに、ネイティブアメリカンの文化に造詣が深かったかが推測される。
石の1つ1つにもこだわり、人間の手で拾い集めて作ったのだそうだ。


塔の中に入ると、オープンシーリングの螺旋階段で、途中にある窓はみな小さいため薄暗い。
しかし、小さな窓から外を覗くと、グランドキャニオンのパノラマが目に飛び込んでくる。
広大な光の世界が一面に広がったかのようだ。実に、見事に計算されて設計されていることがわかる。
内部は、ホピのアーティスト、フレッド・カボティー(Fred Kabotie)によって、ホピの神話や宗教儀式などが描かれている。

いたるところに壁画があり、じっと見ていると、これは、ただ、「ホピ族」の歴史や神話を描いただけには留まらない、もっと大きな何かを感じてくる。まるで、人類と壮大な宇宙の物語を見ているかのようだ。

ホピのアーティスト、フレッド・カボティ(生年1900-没年1986
彼がどのようにして、女流建築家のメアリーと出会い、何を思って協力して、数多くの壁画を残したのか・・そして、メアリーもまた、当時、「インディアンは害虫のような存在」としか思われなかった時代の中で、なぜ、アナサジの塔を作り、ホピ族の彼を選んだのか? そこには、きっと、それぞれおの思いや、多くのドラマがあったことだろう。
ちなみに、彼の本名、部族名は、Nawavoy'ma
ナワヴォイマ? 発音はわからない(笑)どうせ、英語表記で書かれていたところで、ホピ族の正しい発音は、誰もできやしないろうからね。
名前の意味は、the sun coming up day after day(日は昇る・・来る日も来る日も。)


◆Havasupai(ハヴァスーパイ)

ここは、ルート66のArizona編でも、少し紹介しているが、 秘境と呼ばれるだけあって、行くにはなかなか大変なところ。
ラスベガスからハバスパイの入り口、Hualapai Hilltopまでは、車で約4時間〜4時間半。グランドキャニオンのサウスリムのビレッジからは、55キロ離れている。 そこから、ハヴァスーパイの村に行くには、さらに谷底に降りなければならない。 それには、3つの方法がある。
徒歩(12km 3〜5時間)、馬(3時間)、ヘリコプター(5分)

なんで、こんなところに住んでるのか!
彼らは、元々グランドキャニオンのサウスリムのインディアン・ガーデンに住んでいたようだが、グランドキャニオンが国立公園になる時追い出された部族なんだそうだ。(--);
ヘリを使ってしまえば、ラクなのだが、歩くか馬で行けば、途中の絶景を存分に楽しめることだろう。また、面白い化石を発見したり・・楽しみは、もっと増えるかもしれない。

とにかく、この道を彼らは毎日のように馬を使って往復し、荷物を運ぶのだ。疲れて動けなくなった馬が、途中で繋がれているのを見かけたりする。
ハバスの滝は石炭岩を含む青緑色の水で、アメリカ大自然の神秘の1つとも言われてる。


また、ここは、乾いたアリゾナの砂漠のオアシスなのだ。



さらに3km先に、迫力あるムーニー滝がある。右は、滝の洞窟。

村にある教会↑
さて、ここでどう過ごすか? 水遊びをするか、崖を登ってみるか、または、洞窟探検、馬と戯れてみるか、ただ空気を満喫するだけ・・いずれにしても、この村中には、すがすがしいマイナスイオンで満たされていることは確かだ。


◆鉄道で行くグランドキャニオン

グランドキャニオン鉄道は、Williams(ウィリアムズ)という街の駅から出発する。
これも、ルート66のArizona編で、少し紹介しているが、アトラクション付きで楽しい列車の旅ができる。

まず、列車の旅をするなら、フラグスタッフ(Flagstaff)から行くことになる。(同じくルート66Arizona編を参照)そこから、西に30分ほどドライブすれば、ウィリアムスという街があり、そこのウイリアムズ駅から出発。
乗車の30分位前に、コメディー仕立てのウェスタンショーがはじまる。乗り込む前に、まず、お客をショーで大笑いさせてくれる趣向だ。もう、ここから、エンターテイメントの列車の旅が始まっている。

さて、列車に乗り込めば、グランドキャニオンまで2時間の旅。
客車は一般席、ラウンジカー席、展望席、VIP席と分かれている。ラウンジーカー席をとれば、バーも付いてる!(酒好きは、こちらがお勧めかも!)
出発すると、カントリーシンガーが各客車を回って、ポピュラー曲から自作の曲、または、パロディーまで演奏してくれて、とにかく、客を上手に楽しませる。
客席は、あっと言う間に盛り上がり、2時間の旅があっと言う間に感じられる。
さて、グランドキャニオンに到着後は、各自自由行動。
ほとんどが、1時間半、または2時間半のバスツアーなどに各自で申し込む。もちろん昼食込み。
そして、写真を撮ったりお土産を買って、帰りも、再び列車に乗ってウイリアムズへ向かうのだ。

さて、帰りもまた、列車に乗り込むと、別のミュージシャンがやってきて演奏を聞かせてくれる。 すると、たしか・・朝のショーに出演してた強盗が、いつの間にか客車に乗り込んでいて、乗客から金を巻き上げはじめる。お客を参加させてのショーの始まりなのだ。
そこで、ほとんどの乗客たちは、1〜2ドルをあげる。 それが、楽しいショーへのチップ代わりとなっているようだ。
(なので、チップ用のお札は、常に用意しておくように。)

最後には、保安官に逮捕され、強盗は、車中引き回しになるというストーリー。めでたし、めでたし。
行き帰りを通して、こういった立派なエンターテイメントになっているのだ。
もちろん、いつも同じストーリー仕立てとは限らない。
クリスマスシーズンには、サンタクロースが乗車してくるようだ。

グランドキャニオンまで、こんな列車の旅は、いかがだろう。
もちろん、車窓から移り変わる景色も、お見逃しなく。

ここには、四季折々の風景があるのだ。


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