グランドキャニオン国立公園(Grand Canyon National Park)

グランドキャニオンの名前は、おそらくほとんどの人が耳にしたことがあるはず。それだけ、超有名な場所と言える。
アメリカが世界に誇る空前絶後の国立公園であり「地球を代表する最大のスポット」という形容までされている。
なぜ、これほどまでに有名なのかと言うと・・・想像を絶する空間と、数億年という途方もない歳月が造り上げたこの大自然の造形美があるからなのだ。 確かに、これほどのものは、地球上のいかなる場所にも存在し得ない。まるで「地球から宇宙へと時空を繋げるアート」のようでもある。


底部標高 約2,600フィート (800 m), 長軸全長277マイル (446 km), 幅 4から18マイル (6.4から29km)
さて、グランドキャニオンが、これほどまでに絶賛される、その特徴を簡単に説明しよう。
◆20億年前からの地層
コロラド川の浸食作用によって削り出された地形で、実に、先カンブリア時代からペルム紀までの地層の重なりを目の当たりにできる。
つまり、進化の過程が、地層によって見られる点である。
一番古い地層は、実に20億年前のもので、地球の歴史そのものを目の当たりに出来る点にある。
(右図は、まるごとラスベガス
http://www.marugotolv.comから。)
←詳細は、こちらのWEBをご覧ください。

ここを登り降りしてみると、岸壁の色が変化し、土ががらっと変わっていくのが体験できる。

また、土や砂の色が違うために、朝・昼・夕方の時間帯による太陽の反射によって、景観は全く違った表情を見せる。

◆化石が発見できる場所
コロラド川が岩石を深く削っているため、岩壁にはいたるところに化石が露出している。化石マニアには、たまらないところだろう。
谷底近くは、先カンブリア時代になるため、原子的な藻類の化石、その上、カンブリア紀の地層では、三葉虫、デボン紀からは二枚貝などの化石。また、上に行けば、サンゴ、爬虫類、魚類、樹木などが発見できる。

グランドキャニオン化石発見ツアーのサイト(英語)↓
http://www.rockhounds.com/grand_hikes/hikes/fossil_walk/

◆動植物と気候
ここには、1500種以上の植物、89種の哺乳動物、355種の鳥類、47種の爬虫類、9種の両生類 、17種もの魚類が棲息している。
さらに、世界の7つの気候帯のうち6つが含まれるのが大きな特徴でもある。
つまり、その高度によって気候の違いがあり、断崖の上は、標高が高いため、カナダに近い気候。松や樅、アスペンなどの林が続き、鹿やシマリス、ピューマなどが見られる。
峡谷の中間では、気温は高くなり、柏やポンテロザ松、ヤマアラシ、スカンク、キツネなどが見られる。さらに、下に行けば、針葉樹は潅木に変わり、亜熱帯地帯となっていく。ネズミやトカゲやねずみ、ビッグホーン・シープ、などが生息。
谷底は、夏は40℃を超えるような砂漠気候。サボテンやユッカの木、ヘビやトカゲなど砂漠独特の生物が見られる。
崖を登り降りするだけで針葉樹林地帯から熱帯までを体験できる、非常に興味深い場所でもある。

◆カリフォルニアコンドル
グランドキャニオンと言えば・・カリフォルニアコンドルと言われるほど。 カリフォルニアコンドルは、 絶滅寸前種として登録されている希少の鳥。
体長:1.19m/両翼の全長:2.74m/重さ:7〜10kg、その、あまりに大きく重いゆえ、低空からの離陸が出来ない鳥。そのため高い崖の上から、上昇気流に乗って大空に飛び立つのだ。グランドキャニオンをバックにして、その風に舞う雄大な姿をぜひ、目に留めて頂きたい。



◆景観
あまりの雄大さ、360度のパノラマには、神々の国を連想させるものがある。
グランドキャニオンを訪れたら、ただ見ることにとどまらず、空気を肌で感じることだ。そこには、自然との一体感がある。

時と共に、それぞれの地層に反射する色、風の音、そのうち、すべての音が、雄大な景観に吸い込まれ、時空を超えた、無音の世界を感じるかもしれない。
何億年を経た地球の歴史と共に、そして、今もなお、グランドキャニオンは変化を続けているという。
ここは、まるで、地球のアカシックレコードが刻まれているかのようだ。


◆グランドキャニオンについて
グランドキャニオンには、インディアンの5部族が居住している。
ホピ族、ナバホ族、ハバスパイ族、パイユート族およびワラパイ族。
さらに、グランドキャニオンは、大きく分けて4つの地域に分かれる。


map画像は「まるごとラスベガス」より

1.グランドキャニオン国立公園サウスリム
2.グランドキャニオン国立公園ノースリム
3.ワラパイ族居留地内にあるワラパイウエスト
4.ハバスーパイ族居留地内にあるハバスーパイ


この中で、もっともメジャーになっているのが、国立公園に認定されている、サウスリム。
ノースリムも国立公園に認定されていて標高は一番高いものの、季節によって限定(冬は一部クローズ)される点と行くのに不便という理由から、観光客は少ない。別の言い方をすれば、ノースリムは、実に、通好みの場所とも言える。 しかし、多くの人からは、現状において、グランドキャニオンといえば、サウスリムの事だと思われているようだ。

サウスリムについては、すでに、インターネットや書籍上でも多く説明されているので、ここでは、近年人気が出てきた、ウエストリムとハバスーパイを、まずメインとして紹介することにしよう。
<ウエストリムが、国立公園に認定されていない理由>
ワラパイ族の居留地であるため。(ここは、もともとはワラパイ族の聖地) 国立公園に認定された場合、当然、国の管理下に置かれてしまい、様々な制限事項が出てくるため、あえて、国立公園への申請をしなかったという説もある。

◆West Rim(ウエストリム)
ウエストリムの特徴として、ここは、柵などもほとんど無いところが多く、まさにワイルドさが満喫できる。また、サウスリムと比較して、峡谷の幅と標高が若干低い分、むしろ、自然との一体感をより感じやすい。(サウスリムは、高すぎてしまい、谷底を流れるコロラド川が遠くに、かすかに見えるだけ。あまりにも遠すぎて距離感がつかめない。)という声もあるかと思うと、やはり、高さの勝るサウスリムの方が醍醐味がある・・という声もあり、サウスリムかウエストリムか、それは、あくまでも個人の好みでしかない。
ただし、前述した、ワイルドさ、そして、ワラパイ族の居留地を求めるならば、ウエストリムと言えるだろう。
ここには観光地にありがちな、柵さえないのだから!(すべて自己責任で注意!)

さらに、ウエストリムではヘリでコロラド川が流れる谷底に降りたり、その谷底を流れるコロラド川をボートで遊覧、乗馬などもできる。(国立公園に認定されている方は、様々な規制があるため不可)

ウエストの目玉は、なんと言っても、スカイウォークだろう。


強化ガラスで出来た上を空中散歩。
谷底までは約1200メートルの高さ

橋の先端から崖まで約21メートル(70フィート)あり、ガラス張りなので、もちろん足元から下が透けて見えるのだ。

しかしながら、スカイウォークは、2012年7月現在のところ、$29.95と決して安くは無い。グランドキャニオンへ入るだけの入場料もかかるので、大人二人で、合計$152.18かかったとか・・。さらに、現在のところ、ここでのカメラ撮影は禁止。
はるばる旅してこの絶景を目に焼き付けるためには、金銭には変えられないと考えるか、または、高すぎると考えるか・・あくまでも個人の価値観の分かれるところ。また、貧困にあえぐ先住民の一部族、ワラパイ族が、起死回生をかけて作り上げたスカイウォークに、暖かい寄付の意味を混めて支払いたいという人もいるし、実に様々だ。

グランドキャニオンの先住民・ ワラパイ族(Hualapai)について
そもそもワラパイというのは、People of the Ponderosa Pine(ポンデローサ松の木の人々) という意味なのだそうだ。

ワラパイを訪ねるツアー
Pink Jeep Tour(英語)
ワラパイツーリズム(英語)

ツアーの中には、ワラパイの居留地を訪ねたり、ウエスタン風の雰囲気さながらのロッジに宿泊するツアーなど、様々なものがある。


◆Eagle Point(イーグルポイント)
グランドキャニオンには、ウエストにもサウスにも、いくつかの見所のポイントがある。これは、その1つ。
まさに、イーグルが羽を広げたような景観。



◆Guanno Point(グアノポイント)
ここは、ポイントの先まで歩くと、ほぼ360度のキャニオンビューの素晴らしい景観を楽しめる。

なぜ、グアノなんて、名前なのかと言うと・・まず、ここはこうもりの洞窟。1958年だったか、 バット洞窟への権利は米国のグアノ会社によって購入されたんだそうだ。その企業は、崖下の洞窟から推定100,000トンのグアノ(肥料の原料となる高価な原料で、コウモリの糞化石)を採掘するため、設備費に大金を投じたそうだ。
なのに・・思ってたほど採掘は出来ずに、鉱山を閉鎖した後、今度は、米空軍機が衝突しとかで・・永久に使用不可能になったそうだ。
こうもりたちの、怨念の場所だったのか〜(笑)
ミネラル豊富で貴重なバットグアノは、高級洗顔料や肥料として使用されていたそうだ。
人類がキャニオンで採鉱に挑戦した記念碑として、残存したタワーもそのまま残されている。
さらに、ここには、ワラパイマーケット(Hualapai Market)があり、ワラパイ文化の職人の製品も購入できるし、その技術も見られる。

注:数年前から、ウエストの人気は高まり訪れる人がどっと増えたようだ。特にここの場所は、食事(インディアン料理)やお土産を買う場所としても使われるため、時期によっては、ひどく混雑する。 しかし、ワラパイ族側の設備拡張や雇用も間に合わず、最近は観光客からの苦情もよく聞く。 長蛇の列に何時間も並んだとか、マシンが壊れて飲み物が買えなくなったとか・・ワラパイの人々は、未舗装道路をぼろトラックで何時間もかけて運転してきて、ここで働いてる人が多いとか・・なかなか改善するには、まだまだ時間がかかりそうだ。

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