アメリカ旅行の計画

海外旅行に行くときは、まず、一般的にどうするんだろうか?
聞くところによると、

まず、行く国を決めて、その国に関するガイドブックを見たり、インターネットで観光情報を調べる、そして、面白そうなツアーを選んで、提供してる旅行会社に問い合わせる。
また、似たようツアーを提供してる別会社もチェックして、料金を比較して、安い方を選ぶ。
もちろん、面倒なんで、日本からすべて、飛行機代からホテル代、ツアー料金もすべてセットにしてあるのを選ぶ。まとめて、一括で支払ってしまう。その方が、割安だし、手間が省けるのだそうだ。

うーーむ。なーるほど。。。
でも、これは、あまりお勧めしなくないケースだ。
肝心のツアーを、全部、旅行会社の既存のツアーにすることには、問題あり。
なぜならば、そういった一般観光客向けのものは、日本人好みの、エンターテイメントを狙ったツアーが用意されてるのが、ほとんどだからだ。

つまり、「アメリカの真の姿を見せる」よりも、日本人が日本の常識を持ったまま出かけて、その上で、楽しめる旅行設定になっている事が多い、ということだ。
特に、日本の大手某旅行会社が提供するものは、ほとんど、それに近い。
そりゃ、ビシネスなんだから、仕方ないって言えば、それまでなんだけど・・。

とにかく、すべて・・日本語であること、日系の会社であること、日本人の企画した既製ツアーから選ぶこと・・などには、こだわってしまったら、本来の海外旅行の楽しみは半減してしまう。

............................................................

1つの例として・・・たとえば、あるツアーで、夕食ディナーがセットされていたとする。
さて、これは、どのようにして企画されたのだろうか?

日本のツアー会社のスタッフは、そこのレストランに赴き、まず、試食する。
「こりゃ、盛り付けが悪い。それに、こんなに大きなステーキは、日本人には食べられないぞ!」って、ことで、交渉をはじめる。

「日本人はね、もっと見た目を美しくするのが好きなんだから、ここのとこ、こーして。肉なんか、もっと少なくていいから。それに、チップを払う習慣が無いから、個人個人チップは無しにしてしまって、チップ混みで、この値段でどーよ!」

なーんて、具合に交渉して、日本人ツアー客専門のメニューまで作ってくれるのだ。
最近不景気だし、この際、日本人観光客のツアーだって何だっていいから客が欲しい!って、思ってたレストランは、もちろん、儲けがでるとなりゃ、喜んでOKする。

そこで商談成立!!

至れり尽くせり。これなら、日本人から苦情も少ないだろう。
量が多すぎる、味が濃いだとか、盛り付けが汚いだとかって言われることも無いし、チップがわからないとかって問題も回避できる。

............................................................

しかし、こんな旅行をしてたら、日本にいるのと、ちっとも変わらない。
場所だけが、海外に移ったところで、すべて、日本そのものじゃないだろうか。

これは、レストランに限ったことではない。
観光名所にしても、また、ネイティブインディアンのショーを見せる企画にしても、日本人が喜ぶようなパフォーマンスを要求しているケースもある。

ま、それふうに見せた「ヤラセ」ってわけだ。
これは、日本の観光客だけでなく、どこの国の観光客を受け入れる場合にも起こりうる問題らしい。
現地の人々も、金になるんだったら、ま、それで、いいか〜と、貧しい部族ならば、なおさら妥協してしまうことも多いと聞く。

おみやげ物屋も、旅行会社と提携している事が多く、ツアーで、うちにつれてきてくれたら、何パーセントバックするからね〜って事もやってる。
なので、ツアーの場合は、そこの店でしか、お買い物時間を取らない設定になってたりする。

ビジネスなんだから、そりゃ当然の事だ。それが、悪いってわけじゃない!
しかし、ありのままの姿を見たいと思っている旅行者にとっては、なんとも・・味気ない思いがしないだろうか。

では、どうやった旅行を計画するか?・・・まずは、すべて、旅行会社お任せのツアーにしない事だ。
それには、まず最初に、旅行会社のパンフレットを見ずに、自分から行きたいと思う場所にしてみよう。
その方がコマーシャルベースに踊らされることも無いだろうからね。
それは、何かの映画がきっかけでも、読書がきっかけでも、また、人から聞いて興味を持ったでも・・何でもいいのだ。

次に、そこで、見たい場所、そこでやりたい事を具体的に決めていこう。
下調べとして、インターネットで調べるならば、個人旅行のブログなどを考慮に入れて調べるた方が面白いだろう。
少なくとも、そこには、ビジネスライクなものは入ってないからね。

また、出来れば、自分で現地のアメリカのツアーを調べてみると、日本の企画には無いような、面白いツアーを発見することがある。
また、世界からの外国人観光客を相手にする会社なら、当然、英語圏で無い観光客も利用するわけで、そうすると、世界中の人と、接するチャンスもあるというもの。

仮に、英語力に自信がなかったとしても、アクティビティーのツアーならば、あまり問題ない(笑)
集合時間など、必要最低限の事だけなので、中学校程度の英語で十分。
(カルチャーや歴史を延々と説明してくれるようなアカデミックなツアーだったりすると・・・もちろん、英語力が無ければ理解できず、つまらないものになってしまうかもしれないが・・。)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

さて、チケットだけを日本で買い、このように、すべて自分でアレンジする、自由旅行が一番いいことになるのだが・・。
もしも、すべて自分でやりとげる自信がない場合、また、インターネット等で調べた英語サイトツアーが、果たして大丈夫か、この会社は良心的だろうか?などと、不安に感じた場合は、まず、現地の日系のツアー会社等に問い合わせて調べてもらうことをお勧めする。

そして、場合によっては、申し込みや支払い等を代行してもらうことだ。
ここで、日本にある大手旅行会社よりも、「現地の日系会社」をお勧めする理由は、
現地を一番よく知っていること、また、最新の情報、確実な情報を掴みやすいからだ。
現地を知っているだけに、良いアドバイスももらえる可能性がある。

また、自分でなかなか探すことが出来ないとき、漠然とした希望はあるものの、具体的なものが見えてこないときも、自分の好みに合ったお勧めの場所を教えてもらえるだろう。

たとえば、
「古い開拓時代のアメリカの雰囲気が味わえる場所ってある?」
「50年代、60年代のアメリカのポップなものが見たい。」
「西部劇のシーンに出てくるような景色の中で、夕日を見て感動できるようなところのお勧めってある?」
「アリゾナあたりで、ルート66を回るツアーを作ってもらえる?」


こんな具合に、何でも相談してみることだ。

あくまでも、自分の希望を中心に考え、不安な場合は、それを、現地にある日系旅行会社やツアー会社に、それをサポートしてもらうと考えるた方が、オリジナリティーのある有意義な旅になるはず。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

さて、具体的に決まれば、手配を頼み、見積もりを出してもらう。
または、あらかじめガイドラインを決めておいて、日系の会社に調べてもらい、現地についてから、その現地ツアーに参加するという方法もある。それも、また、楽しいだろう。

事前に、事細かく旅行のプランをたててしまうか、または、現地についてから、気の向くままツアーに参加するか・・それも、本人しだい。

さらに、運転が出来るならば、自分でレンタカーを借りて動き回るのも、楽しいだろう。
まったく拘束されることなく自由に動けるからね。 それに・・日本の都会を運転するよりは、アメリカの田舎を運転するのは、数倍、ラク。

ただし、アメリカの国立公園などでは、現地ツアーに参加しない限り、自分で自由に観光できないところもあるので注意。
特に、インディアンリザベーションの管轄になっている場合は、彼らのツアーを利用しなければならない事が多い。
車でどこでも入れるってわけじゃないし、もちろん、事前に国際免許を取ってくることも必要。

そのためにも、いちおう現地の日系の会社に、問い合わせをしておいた方が、無駄なく動けるだろう。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

とにかく、面倒だから、安いから・・といって、日本から、すべての手配を、同じ旅行会社にお任せにしないことだ。
日本にある大手の旅行会社にしたところで、結局は、現地の下請け会社に行き、また、その下の下請け会社に回されるのが現状だしね〜。

アメリカは、 それぞれの州によって州法が違う。そのため、1つの州で、旅行業のライセンスを持っている業者ならば、その州でしか営業が出来ない。たとえば、カリフォルニア州で営業許可を持っている旅行業者は、直接、グランドキャニオンのツアーを出せないのだ。グランドキャニオンは、アリゾナとネバダ州にまたがっているからね。
そこで、それぞれ、ネバダ州やアリゾナ州の旅行業者に、コミッションを取って委託する事になる。
もしも、インターステートライセンス(アメリカ国内すべてをまたがって手配できる許可書)を持っている旅行会社ならば、州をまたがって手配することも可能。
アメリカの旅行会社は、ほとんどこれを保持しているが、現在のところ、日系の旅行会社では、このライセンスを取得しているところは1つも無い。(某旅行会社は、申請中らしいが。)
そのため、グランドサークルを回ろうと思えば、アリゾナ、ユタ、ニューメキシコ、コロラド州の少なくとも4つの旅行会社のお世話になることになる。

さらに、せっかくの旅行に、準備やお金をケチってはいけない。
同じルートを回るツアーでも、格安ツアーには、格安にできるだけのリスキーな理由がある事の方が多い。
安全性も、お金で買えることも忘れてはいけないように思う。

旅行の日程も、ある程度、十分にとること。
時間が無いから、ラスベガスからの短時間のツアーで、飛行機からグランドキャニオンを見ただけで帰るならば、お金を使ってまで、グランドキャニオンに行く意味は無いように思うのだ。
旅行は、感動するものがなければ、意味がない。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

ちなみに、私の場合は、いつも、エアラインのチケットだけを買い、行きたいところをリストアップして、やはり、現地に本拠地を置く、小さくて良心的な旅行会社に問い合わせを出していたものだ。

「出来れば、山の中で、清潔でしゃれていて、面白い風情のホテルはないかな?」

「ツアーは、現地のツアーで、面白いものない? できたら、その予約もとっておいてくれる?」

「あ、夕食は、地元で人気の店を紹介してくれる? 日本人観光客がめったに、来ないようなところで、地元に人気でいつも混んでるような・・・。」


こんな注文を出していたかもしれない(笑)

しかし、彼らは、喜んでいつも、必死に私の要望に応えてくれたし、時には、オリジナルツアーを作ってくれた。(感謝!!)
おかげで、いつも、ワクワクさせられる、ステキな旅を経験してきたと思う。 とにかく、そんな旅行会社を選ぶことだ。
どうやって、選ぶかって?

そりゃ、カンだね。
電話したときの応対や、メールでの返事で、なーんとなく、わかるもんじゃないかな?(笑)

では、皆様が、心に残るステキな旅が出来ますように。

>>>Topへ戻る