ギャロップ(Gallup)

ここは、ニューメキシコ州アルバカーキーから西に3時間、アリゾナ州フラッグスタッフから東に4時間の位置にある。
人口2万人足らずの小さな街。
ギャロップは第二次大戦中に日系人の強制収用キャンプ建設に反対をした町ということで日系2世、3世も多く住んでいる。ふと、街中でこんなサインを見つけた。

あれ、MIYAMURAって・・日本人の苗字ではないか?
調べてみると、どうやら、ミヤムラ・ヒロシさんという、日系2世の方で、あの442部隊でも生き残り朝鮮戦争にも参加した名士であり、ギャロップ出身の人だった。 (*442部隊について⇒第442連隊戦闘団
(当時の日本人の状況ついては、 99年の愛JAPANESE AMERICANSなどのドラマなどを参照に。)

エル・ランチョ・ホテル(El Racho Hotel)〜往年のスターたちの宿
ギャロップに行ったら、ぜひ訪れてみたい場所。コロニー風の建物で、内装も、ゴージャスな歴史ある雰囲気を持っている。
ハンフリー・ボガード・スイート、ロナルド・レーガン・スイート、ドリス・デイ・スイートなどがあり、往年の有名俳優が頻繁に泊まっていたホテルなのだ。
彼らは、ロケのために頻繁に来たようで、・・・特に西部劇撮影なら、必ずこのあたりを訪れたことだろう。

コロニー風の建築

バスルームが美しい!

ブルーを基調にアラベスク模様かな?

風と共に去りぬ!の豪邸風な・・・ロビー。

往年のスター達の写真が、ホテルの2階ロビーにはぎっしり。
また、ギフトショップは、ナバホ族、ホピ族、ズニ族などの装飾品やジュエリーの品揃えもある。
ギャロップは別名で、Indian Capital of the Worldと呼ばれる、多くの先住民文化が集まる場所でもあるのだ。


アコマ・スカイ・シティー(Acoma Sky City)

アコマ・スカイ・シティーは、1000年の歴史ある天空 都市だ。

ギャロップから1時間ほどの距離にある、まさに、天空の城ラピュタを思い出しそうな場所がここ。
アコマプエブロの人々は、10世紀頃にこの村を築いたそうだ。なんと、357フィート(100メートル)の高さ。 遠くからでも、見事な形のメサが見えてくる。

このメサの脇を走り抜けると、もう一つのメサが見えてくる。よ〜く目を凝らすと、メサの上に土色の住宅群が乗っているではないか!!

アコマ・スカイシティーへは麓からのツアーバスに乗ってしか入れない。
アコマ・スカイ・シティー公式サイト⇒Sky City Curutural Center
この村は、長い争いの歴史を持ち、1598年のスペイン人との戦闘で、ほぼ完全に村は破壊された。現在でも外部の人間の入村を制限している。

かつての住宅への入り口は2階で、敵が攻めてきたらはしごを引き上げてしまうようになっていたようだ。 ビデオカメラの持ち込みは禁止されている。また、教会堂内、墓地の写真を撮ることは禁止。
ビジターセンターの前の駐車場では、アコマ・プエブロ周辺に住む住民がおみやげの陶器を売っている。 アコマでは、この陶器が殆ど唯一の産業なのだ。
アコマの人々⇒アコマ・プエブロ(From Wikipedia)


アルバカーキ(Albuquerque)

ニューメキシコのアルバカーキまで来ると、街の雰囲気がガラっと変わるのがわかる。
アドべ建築と言われる、薄いピンク色がかった日干し煉瓦を使う建築方式のせいだろう。教会もアドビ建築で出来ている。

ここは、スペインの文化と先住民のプエブロ文化が融合しているのだ。
多くの先住民の歴史は迫害され、彼らの文化を破壊することで成り立ってきた中で、アルバカーキとサンタフェは、見事に融合した形で完成した街なのだ。

*アドベ建築について⇒アドベ(From Wikipedia)

アルバカーキまで来ると、中西部の田舎の雰囲気が抜けてきて、レストランの雰囲気も変わる。
ジェニファー・ジェームズ101(Jennifer James 101)
Yelp情報
ここのレストランは、従来のアメリカのどーんとした盛り付けよりも、やや小ぶりな盛り付けで、もちろん、評判もかなりいい!
ずっと、ルート66を旅歩き、典型的な「庶民のアメリカの味」を食べ続けたあとに、ちょっと洗練されたものを食べると、格別な気分になってくる(笑)



サンタフェ(Santa Fe)

アルバカーキまで来たならば、サンタフェには絶対、行く価値あり。
アメリカ人が、国内旅行で一番行ってみたい場所がここだと聞く。つまりは、一番「アメリカっぽくない」とも言えるだろう。

なぜなら、多くのアメリカの街が開拓民によって作られたのに対し、ここは開拓民が来る前に、プエブロやスペイン文化が自然に融合し、すでに1つの文化として確立されてしまっていたからなのだ。

ここは、スペイン文化と先住民のプエブロ文化の融合した街であり、また、人口は7万人に満たない小都市なのに、旧市街周辺だけでも200軒を超えるアートギャラリーがある「アートの街」でもあるのだ。


セント・フランシス教会(St. Francis Cathedral)
サンタフェ最初の大司教であったフランス人、ジーン・バプティスト・レイミーにより1869年に建てられ、このロマネスク様式の教会には、アメリカで最も古い聖母像が置かれている。


ロレッタ教会(Roretto Chapel)
アメリカではまれなゴシック建築の影響を受けてるロレットチャペルは、1842年に完成した。ここでの見ものは奇跡の階段と呼ばれる360度の螺旋階段で、驚くことに支柱が1本もなく、まるで「宙に浮かぶ」階段のようだ。
実際のところ、誰が、どんな技術を持って作ったのか・・・わかっていない。今でも謎。

上から見るとこーんな感じ↓



サンタフェの街は、やはり・・アメリカっぽくない! サンタフェでは、すべての建物を、スパニッシュ・コロニアル様式(写真左) プエブロ・リバイバル様式(写真右)と2つに制限し、高さにも制限を設けている。



タオス・プエブロ(Pueblo de Taos)と「奇跡の砂」チマヨ教会(El Santuario de Chimayo)
ユネスコ世界遺産登録のタオスプエブロは、1000年以上の歴史を持つ先住民の村。現在でも彼らが生活をしている場所でもある。
チマヨ村にある、チマヨ教会は、イースターの巡礼と奇跡の土で知られてる。
病気を治癒させ、跡を起こすといわれている。
そういえば・・フランスの、ルルドの泉も奇跡の地と呼ばれていたのを思い出した。。。


教会で見た軒下のチリ
飾りでもあり魔よけでもある。


この村にあるチマヨ織は、ネイティブ・アメリカン伝統柄を使ったものでラルフ・ローレンがデザインに取り入れたことでも、非常に有名になった。

ニューメキシコの織物
オルテガ織




バンダリア遺跡(Bandelier National Monument)
バンダリアは、世界最大規模のカルデラで知られるヘメス山の谷間にひっそりと佇む先住インディアンの遺跡。
その子孫といわれているコチティインディアンが案内して世に知れたもので、その岩崖住居は、チャコキャニオン、メサベルデなどの遺跡に共通するものでもある。

サン・イルデフォンソ・プエブロ族の著名な陶芸家、マリア・マルティネス(Maria Martinez)をインスパイヤーした黒色陶器が発掘された場所としても有名。



ジョージア・オキーフ(Georgia O'Keeffe)の愛した地
オキーフが繰り返し描いたアビキューとゴーストランチの風景がここにある。
ジョージア・オキーフについて
オキーフ博物館
サウスウエスタンスタイルについて


ターコイズ街道(Turquoise Trail)
風光明媚な美しい道路として有名。
ターコイズ(トルコ石)は、アメリカでは一番ポピュラーな石。
ターコイズブルーが、ティファニーブルーの元になったのではないか・・という話もある。 ←ターコイズ街道沿いのワンショット。
Turquoise Trail




サンタフェのレストラン
サンタフェは、アメリカの地方には珍しく、レストランは、ワンランク上で、美味しいものにめぐり合える。
メキシカンフード、テクスメクス、サウスウエスタンばかりでもなく、世界各国の料理もあったりする。
また、メキシコ人の好むメキシコ料理とは違った・・「洗練された」メキシコ料理が多いのも特徴だろう。

ピンクアドビ(Ppink Adobe)
洗練されたメキシカンフードに、ステーキ、サーモンもいける!

カフェ・パリス
手軽なフレンチが楽しめるし、焼きたてのパンも楽しめる。

カフェ・サン・エスタバン(Cafe San Estevan)
なんせ、この雰囲気がいい!



<あとがき>

ルート66沿いには、ロサンゼルスのような大都市、少しはずれたところには、ラスベガスのような巨大な人工都市もある。
また、モハベ砂漠のゴーストタウン、車窓から見る鉄道、高圧鉄線、朽ちかけたサインボード、人口数人の小さな町、メサ、コンボイ、カフェやダイナー、そして近くに広がる数々のグランドサークルと呼ばれる国立公園・・・それらのすべてが、ルート66沿いに存在しているのだ。

カリフォルニアからアリゾナ、そしてニューメキシコへ移れば、それぞれに、景色も人も違ってくる。
走りぬけながらみた朝日や夕日、真っ青な空、突然の豪雨、砂漠の乾いた匂い、針葉樹の緑・・・そんな日常のものにも、わくわくさせるものがある。
まるで・・自分がロードムービーの中に飛び込んだような気分になる。 ひょっとして・・リアルな世界を舞台にした、自作自演の映画の中にいたような・・さんな気さえする。


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