カールズバッド洞窟群国立公園(Carlsbad Caverns National Park)

ニューメキシコ州エディ郡南西角のグアダルーペ山脈(Guadalupe Mountains)に位置する、アメリカの国立公園であり、ここには83もの洞窟がある。ここは、1995年に世界遺産に登録されている。
一番近くの大きな町はエルパソで、約2時間くらい。
洞窟のすぐ近くにはホワイトシティという町があり、ホテル7〜8件、ガソリンスタンド1件の本当に小さな町なので、エルパソを拠点にして訪問する人の方が多いようだ。

洞窟の入り口はかなり標高の高い所にあり、景色もなかなかなもの。ただし、夏とはいえ寒いこともあるので注意。

洞窟の一つ、レチュギア・ケイブ(Lechuguilla Cave)は、全米最深(1,604フィート=489メートル)で、長さは世界第5位(126.1 miles=203 km)の石灰岩の洞窟


カールズバッド洞窟は、ガイドなしで自分で見て回ることも、パーク・レンジャーが案内する様々なツアーを利用することもできる。 観光客は、自由に天然の入口から入り内部の部屋をハイキングすることも、また、公開されている洞窟エリアの中心に直接エレベーターで行くこともできる。(洞窟に入った人は全員このエレベーターから出ることになる)

◆カールスバッドの洞窟誕生
カールズバッド洞窟の誕生は、2億5千年前の長さ600キロメートル内海から始まる。 海綿、藻、貝殻の遺骸や、海水中からも方解石が沈殿して厚い石灰岩の地層ができた。

この海は最後には陸地に閉じこめられ海水は蒸発。そして、岩塩と石膏の地層ができ、厚い石灰岩層はその下に埋没した。
200万〜300万年前にこの地域は隆起して、侵食によって地表に露出するようになった。 雨水が、石灰岩の裂け目にしみ込み、ゆっくりと石灰岩を溶かし、巨大な地下空間を形成する過程が始まる。

同時に、化石礁のさらに下にあった原油とガスの鉱床から移動してきた、硫化水素ガスが、石灰岩中に入ってきて、酸素と反応して硫酸に変化。その硫酸によって石灰岩の溶かした結果、巨大な洞窟空間が生まれたというわけだ。

◆コウモリ
ここはまた、約100万匹のメキシコ・オヒキコウモリ(Mexican Free-tailed Bat)の聖域でもある。
日中コウモリは、カールズバッド洞窟の天然の入口の近くの通路、バットケイブ(Bat Cave)の天井に群がっている。

夕暮れには、コウモリは巨大な群れとなって洞窟を飛び立つ。(右の写真は、こうもりの飛び立つのを待っている人々。)
暗く、速く動く雲のように、夜空を背景にして、コウモリは素晴らしいショーを見せる。
まさに、これは自然の驚異の1つ!

メキシコオヒキコウモリは冬にはメキシコへと南下するため、このコウモリの飛翔が見られるのは5月下旬〜9月頃のみ。
メキシコ・オヒキコウモリのショウのはじまりは、カールズバッド洞窟の天然の入り口から2、3匹のコウモリが飛び出してきて始まる。(斥候役のこうもりか?)
それから、数分で、コウモリは密集した旋風となって洞窟から、暮れていく夜空へと急上昇する。
この大脱出は20分、長いときは2.5時間も続く。

いったん洞窟から出ると、数千のコウモリの波状の塊は、ペコス・リバーとブラック・リバー谷で餌をとるためにヘビのような形になって南東に向かって飛んでいく。

夜明けとともに、コウモリは一匹ずつあるいは小さな集団になって洞窟へ戻り始める。
洞窟への再突入は出発と同じくらい、すごい見ごたえたっぷりなのだ。

●各コウモリは洞窟の入り口より高い位置につける。
●それから羽を体にくっつけて、カールズバッド洞窟の暗闇の中に雹のように飛び込み、そのときに変わったブンブン飛び回る音を出す。
●コウモリ達は、バット・ケイブの中に一匹ずつ戻っていき、安全にそこで眠りにつく。そして、翌日の夕暮れ時に再び姿を現すのだ。

こうもりの飛翔見学では、残念ながら、飛び立ってからは一切写真撮影禁止、水以外食べ物も禁止。こうもりは、なかなか神経質のので、シャーターを切る音にも警戒してしまうらしい。


◆洞窟探検
では、ここから洞窟内部に入っていくことにしよう。 ツアーは、いくつかあるが、大きく分けて2つ。セルフガイドツアーと、ガイドツアーに分かれる。(自分で行くのと、ガイド付きってことだね。) 250mの地底まで下るツアーで、歩く距離にすると1マイル(1.6km)あり、それでも1時間くらいはかかる。

左側は、ベイルド・ステチュー(Veiled Statue)と呼ばれている。ベールのかかった像というわけか?

右側は、デビルズ・スプリング(Devil's Spring)で、悪魔の泉。今でも雨水が石灰岩をが溶けし、ゆっくりとしたペースながら、鍾乳洞の成長が続いているらしい。Devil's Springには水が溜まっているし、石筍や石柱などがところどころに見られる。

このように、それぞれに名前がつけられているものが多い。自分で、何をイメージするか・・それを考えながら見るのも一興かもしれない。 )

左側は、ホエールズ・マウス(Whales Mouth), たしかに、そんな雰囲気はある。

右側は、アイスバーグロック(Iceberg Rock ) )

Elephant's Tooth
象の歯だって?
婆のおっぱい?
逆さサンゴ?
Lion's tail

右写真のように、水がたまっているところもあり、色も、緑、白、ベージュなど、さまざまな色がみられる。
所要時間90分のレンジャーツアーで行くと、さらに見事なつららやドレープ状の美しい光景が見られる。

下の写真は、グリーンレイクルーム。緑がかった色が美しい、まさに緑の湖。白くみえるのは、the White Giant、白い巨人と呼ばれている。
主な見所として、Kings Palace、Queen Chamber、Green Lake Roomなど。


とくに、キングズ・プレース(kings Palace)、クイーンズ・チェンバー(Queen Chamber)は、かなりの広さがあり、美しい洞窟だ。

1000年以上も昔、先住民はここをシェルターとして使っていたフシもある。1898年にジム・ホワイトというカウボーイが、ここを発見し、様々な部屋を探検しながら名前をつけていったのが名前の由来となっている。

その後、さらに様々な洞窟が発見され、現在、一番広い洞窟、Lechuguilla Caveは1986年に発見された。 これらの洞窟を先住民たちは、いったい何を思い、どのように使ったんだろうか?

ほんの少しだが、彼らが残したと思われる壁画らしきものが残っている。ナチュラルエントランス付近と、こうもりが飛び立ったあとの洞窟の中にある、という話だ。

下の写真は、地下に降りたところにある休憩とお食事どころ。地底で軽食をとるのも面白い経験かもしれない。



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