アメリカで食べるチャイニーズ

さて、まずは、一般的なチャイニーズフードについての話から。
(一般的とは、洗練された高級チャイニーズ店を除いて、ファーストフードやファミリーレストランタイプのチャイニーズ店などのこと。)
下記は、アメリカナイズされた、チャイニーズのファーストフード店。

●チャイニーズフードには、MSGが入ってる!
アメリカ人の多くは、MSGを気にする人が多い。そのため、インスタント食品などには、NO MSG (MSGは含まれてません!)という表示がしてあるものも見かける。
MSGとは、Monosodium Glutamate、つまり、手っ取り早く言えば、味の素のこと。
だいたい、どこのお店でも使ってると思った方がいいだろう。

もっとも、日常的にMSGを摂取している日本人は、チャイニーズ同様、あまり気にしないかもしれない。
「失礼な!味の素なんか買ってないし料理に使ってないもんね!」と心外な顔をされる方、ご存知でしたか?
日本の、ありとあらゆるレトルト食品やインスタント食品、スナック菓子に至るまで、MSGが使われていることを!

たとえば、カレーを作るとき、ほとんどの人が、SBやハウス食品などの、カレールーを買ってくるのでは?
あの中にも、たっぷりMSGが入っているのだ。
それが気になる・・というのならば、ナチュラルなカレーパウダーやスパイスから、自分で、すべてを手作りするしかないって事なのだ。

また、ダシをとるのに、顆粒状のダシを使っていませんか?
常に、昆布やかつおから、ダシをとってますか?
その他、スナック菓子や、冷凍の餃子・シュウマイなども・・・すべてと言っていいほど、MSG入り!

MSGが、ほんとうに、また、どれほど体に悪いかどうかはわかりません。(ここは、食品専門サイトでは無いので、ここでは掘り下げて述べることはしません。)
ただ、アメリカにおいて、MSGの入ったチャイニーズレストランで食事をした人たち(アメリカ人)が、体の不調を訴えて、社会問題にまでなったことがある。↓
中華料理店症候群

それから、アメリカでは、MSGについては、かなり意識する人が多くなった。

逆に日本の場合、すでにMSG慣れしてしまっている人が多いせいか、免疫?になってしまうらしく、1度2度チャイニーズフードを食べたくらいで、急に体調の変化を感じるような人は、ほとんどいないようだ。

さらに、MSGの入っている方を、脳が「美味しい!」と認識してしまう・・という傾向もある。
例えば、天然の昆布や鰹節でダシをとったものと、MSGでダシをとった料理を、目隠しテストで食べてもらうと、必ず、MSGの方が、味に深みや甘み、まろやかさを感じて、美味しい!と感じてしまうようだ。
そのため、全く気がつかず、知らず知らずに食べさせられている・・というケースも多い。

ところで、なぜ、チャイニーズ店では、MSGを使うのか?
理由の第一は、コストにある!
チャイニーズ料理において、ダシをとるのに、乾し貝柱や乾しえびでダシをとっていたら、大変なことになってしまう。
特に、薄味で提供する飲茶レストランでは、ダシが命となる。

また、日本料理においても、ダシを昆布やかつおでとるとしたら、それなりの技術を習得しなければならず、材料費、人件費、手間もかかってしまう・・・そういった事が理由。
つまり、手ごろな値段で食べられる店は、MSGを使っているということになる。

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それでも、やっぱり、なるべく化学調味料の少ない店がいい。MSGは、嫌だ!という方のためのレストランを紹介しよう。

◆エンプレス・ハーバー・シーフードレストラン Empress Horbor Seafood Restaurnat


ここは、昼間は飲茶レストランになっている。(英語では、飲茶を、ディム・サン(Dim Sum)と呼ぶ。) もちろん、場所は、チャイナ・タウンの中にある。チャイナタウンと行っても、中国系と台湾系のチャイナタウンがいくつもあり、ここは、中国本土系のチャイナタウン、モントレーパーク(Montley Park)と呼ばれる場所にある。

注:チャイナタウンでは、車の運転も歩行者も、交通事故には注意すること。
中国系の人の交通ルールは、めちゃくちゃ! 例えば、片側2車線道路で左折するとき、右車線にいる車が平気で、左折したりする・・ことなど日常起こる場所。(アメリカの車は右側通行)

飲茶の場合、中国人のおばちゃんたちが、このようにワゴンで色々なものを運んでくる。
英語があまり得意じゃない人達が多いので、なるべく簡単な単語だけで聞くか、料理を目で見て指差して選ぶこと。
または、詳しい説明等が必要な場合は、黒服のマネージャーらしき人を呼び止めて話すこと。

エビ入り、チャーシュー入りなどの点心、ヌードルなど、薄味でなかな美味。
客は、ほとんどが中国系の人たちで賑わっている。


点心のメニューは、多少日によって違うが、運がよければフカヒレのスープなどもあり、それも、4ドル程度なので、おそらく日本で食べるよりは、はるかに安い。

◆ホットポット・ホットポット Hot Pot Hot Pot
そもそも、ホットポット(Hot Pot)とは何か?・・・中国語では、火鍋と記し、つまり、鍋の専門店ということだ。
特に、ここの店は、やはり、モントレーパークの中国系の多い地域にあり、多くの人で賑わっている人気の店。


まず、ここでは、鍋のスープを選ぶ。 主には、赤い色をしたスパイシーなスープか、鶏がらで出しをとった白っぽい色のスープかというところだが・・・一番のお勧めは、Half and Halfを頼むことだろう。
つまり、半々に両方のスープを楽しめるということだ。

写真を見るとわかるように、スープの中には、あらかじめ色々なものが入っている。青ネギやしょうがの他、朝鮮人参を初めとする、様々な薬膳に使う材料がたっぷりと入っているのだ。
ここに、好きな食材(肉・魚・野菜など)をリストの中から選んでオーダーし、自分でスープの中に入れていく。

様々な材料を入れることによって、スープにだんだん旨みが出てくる。最後には、好きなヌードル(日本のうどんのようなものもある。)かご飯を入れて食べることもできる。

薬膳の材料を使っているせいか、体が温まるので、風邪気味のときなどは、最適だ。
おそらく日本では、こんな安い値段では、食べられないように思う。多くのチャイニーズが住む地域は、こういった材料が非常に安く売っている店があるので、日本よりも安価に提供できるのだろう。


◆シーフードポート・チャイニーズレストラン(Seafood Port Chinese Restaurant) Seafood Port Chinese Restaurant

安くて手軽で、しかも、本格的なチャイニーズのランチを食べるなら、ここがお勧めだ。
(本格的というのは、あまり、アメリカナイズされていないチャイニーズという意味)

内装も外装も、まったく手をかけてないような店だが、いつも、チャイニーズ系の人々で賑わっている。
土日のランチタイムは、かなり待たされることも多い。とにかく、ランチが安くてうまい。
定食のセットメニューが、5ドルから6ドルといったところだろうか。
それでいて、揚げ物もサクっとあがっていて、よくありがちな、アメリカナイズされたチャイニーズの点にありがちな、こてこて感がない。

たとえば、二人でランチをするなら、こんなメニューをシェアするのはいかがだろうか? 左は、ソルト・アンド・ペッパーポーク( sult and Pepper Pork)、右は、海鮮固焼きそば。

ポークチョップをカラッと揚げたものに、グリーンオニオンとグリーンペッパーを乗せているので、ぴりっとした味があり、また、焼きそばには、ぷりぷりのエビやイカもふんだんに入っている。
これに、お櫃で持ってくるご飯と、それぞれに、スープがつく。(ご飯が足りなければ、おかわりを持ってきてくれる。)スープは、Hot and sour soup、日本で言う、サンラータンスープ(酢の酸味とトウガラシや胡椒の辛味と香味を利かせたもの。
鶏肉、豆腐、シイタケ、キクラゲ、タケノコ、長ネギなどが入っている。)みたいなものだ。

最後に、小さなデザートとフォーチュンクッキーがついて、1人5−6ドルのランチ。
常に込み合っているわけだ。

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